こんにちは、シュリです。
今回は「限りある時間の使い方」を読了したのでレビューをしていきたいと思います。
【限りある時間の使い方】
〈引用文献〉
🌷限りある時間の使い方
🖋オリバー・バークマン著、高橋璃子訳
🏢株式会社かんき出版
🗓2022/6/20 第1刷発行
最近はSNSでもレビューを見かけることが増えており、注目の書籍です。
単行本だけでなく、amazonオーディブルなどで聞き流してみても良いですね。
効率の良さが全て解決するわけではない
どんなに効率的にやっても、忙しさは終わらない。
56ページより
最初に読んだときは衝撃でした。
私は今まで「時間がないのは効率が悪いからだ」と思い込み、必死に効率を良くする方法を考えてきたからです。
でもなぜ、効率を良くしても忙しさは続くと著者は解説したのでしょうか。
できることとやりたいことの境界線は?
著者は、どれだけやることを終わらせても、この世界には際限なく「叶えたい」と思うことが溢れていると話します。
例えば定年退職後のやりたいことリスト。「あれもやりたい、これもやりたい」といった内容ばかりを並べていると確かに時間は無くなってしまうでしょう。
またインターネットの普及や今だと手軽に見ることができるSNSがあることで、私たちの手元には制限なく情報が入ってきます。
そういったものを見ていると「できること」ではなく「やりたいこと」が先行してしまい、それを計画立てていてもまた「やりたいこと」が生まれてきて、結果的に時間だけが足りなくなるということでした。
この項目を読んでいて、私は共感しまくりです。
自分の「できること・力量」は後回しに、今までは「やりたいこと」だけが先行している人生でした。
もちろんやりたいことを全くするな、と言っているわけではありません。
時間がない中でどうやって時間を作るのかと考えた時、「やりたいこと」に比重があるままだと今後一生時間は生まれないなと気づいたのです。
毎日時間がなくて困っている場合は、一度見直してみても良いかもしれませんね。
不安を抱えやすくなる
反射的にタスクをこなすかわりに、すべてをやりきれないという不安を抱えること。やりたい誘惑を振り切り、あえて「やらない」と決めること。
63ページより
効率アップのデメリットとして「仕事ややるべきことを捌けなかった時、すべてやりきれないことに不安を感じる」と挙げています。
個人的にはP63〜64ページは「確かに!」の嵐でした。
先ほどの項目から続く話になりますが、「できること」の範疇を超えて「やりたいこと」があると、「あれもしないといけないのに、これが終わらない」といったように焦り・不安だけが生まれてしまいます。
でも「できること」で制限をかけられていれば、その焦り・不安は生まれないんです。ここも今、見直すことできるところです。
時間があれば幸せ?休みがあれば幸せ?
よく「年を重ねるとお金はあるけれど時間がない」や「休みがあれば〇〇できるのに」と耳にします。
でも本当に、時間があれば・休みがあれば自分のやりたいことはできるのでしょうか。
そしてそれって本当に、幸せなんでしょうか?
お金があっても時間に追われる
もう余暇すらも、やることリストのひとつになってしまったからだ。お金持ちは仕事も忙しいけれど、自由な時間にもやるべきことがたくさんある。
169ページより
この文章で「お金があって時間があれば」との幻想が崩れてしまいました。
もちろん上手く管理して、やりたいこと・やるべきことと余暇を過ごされている方もいらっしゃるとは思います。
ですが凡人脳で「お金と時間があれば」と考えていた私は、そうではないのだという現実に驚きました。
余暇までもが、やることリストのひとつになってしまう。考えるだけでもしんどいです。
せっかくの余暇なのだから休めばいい。自分のやりたいことをすればいい。
でも「本を読まなきゃ」「ブログを書かなきゃ」という現在の自分も、すでに空いた時間をやることリストで埋め尽くしているのかもしれません。
休みの日は休め
現代に生きる僕たちは、休みを「有意義に使う」とか「無駄にする」という奇妙な考えにすっかり染まっている。将来に向けて何らかの価値を生みださないものは。すべて単なる怠惰でしかない。
172ページより
本当、その通りだと思いました。週末休みが来れば、やることリストに追いかけられ、それが達成できずに週明けを迎えると「この週末は何もできなかった」と後悔。
でもこの文章を読んで、「毎日懸命に生きているのに、なぜ休みの日に休まなくて後悔するのか?」と疑問を抱きました。
毎日必死で仕事をして、休みの日には必死でやることリストを消化して。365日全力投球で人生100年時代を生き抜くことはできるでしょうか?
人生を再出発しよう
ここまで読み進めてきて、さてどうすれば限られた時間を上手に活用できるのか?と疑問を抱きます。
そして本の中でここあたりからは、人生を再出発するための5つの質問を著者から投げかけられます。
不快から楽な方へ逃げてはいないか?
できるなら、快適な衰退よりも不快な成長をめざしたほうがいい。
256ページより
名言きた〜!!です。
確かに、居心地が良いから変えられない職場や成長はできないけど気を使わない仲間との飲み会など、「快適ではあるけれど成長はしない(衰退する)」環境って意外と多くあります。
もちろんそこに参加することは何も悪くないし、それが癒しの場合もあります。
一方で自分の何かを変えたい!と奮起している場合には、職場を変えてみて自分の成長を目指したり、付き合う仲間を変えることで知らないことを知れたり。
快適ではないけれど自分の成長に繋がる環境に身を置くのもひとつの手段であり、人生を再出発するには必要な検討項目だと思いました。
今、見直したいポイント
・自分の「できること」と「やりたいこと」の境界線は明確か?
・「できること」がわかっていれば、タスクを終えられない不安から解消される
・空いた時間、やることリストで埋まっていないか?
・不快な成長を目指せているか?
時間はあるようで、意外とないもの
この1冊を読み終えて、「まだまだ時間あるな〜」と思っていた自分の感覚を見直すキッカケが生まれました。
今はまだ若いから、とたかを括っていても時間の使い方次第では一瞬で高齢者になっている可能性も十分にあります。
限られた時間だからこそ使い方を見直して、一度きりの人生を悔いなく終えられるよう毎日過ごしていきたいですね。
もし気になる方は、手に取って読んでみてください。