「私、向いてないのかも…」
訪問の帰り道、ふとそんな風に思ったことはありませんか?
病棟とは違い、訪問看護は基本的に“ひとり”で動く仕事です。
判断も行動も、自分次第。経験を重ねても「正解」が見えにくい現場に、不安や孤独を感じる方はとても多いのが現実です。
私自身も訪問看護を始めたばかりの頃は、毎日が手探りで「誰かに相談したい」と何度も思いました。
でも、少しずつ“孤独とうまく付き合うコツ”が見えてきたんです。
今回は、訪問看護師が感じやすい「孤独」をテーマに、今日からできる5つのヒントをご紹介します。
ひとりで限界を感じる前に、あなたの心が少し軽くなるきっかけになれたら嬉しいです。
訪問看護で「孤独」を感じやすい理由とは?
訪問看護は、病棟と違って“その場に仲間がいない”という特徴があります。
看護判断を即座に求められることも多く、責任の重さから「間違ったらどうしよう」とプレッシャーを感じがち。
とくに新人のうちは、報告・連絡・相談のタイミングもつかめず、
「自分ばかりがわかっていない」「こんな簡単なことも聞けない…」と自信を失いやすいんですよね。
さらに、忙しいスケジュールの中ではスタッフ同士の会話も最小限になりがち。
訪問と記録の繰り返しで、気づけば誰とも言葉を交わさず一日が終わっていた…という日も。
孤独を感じるのは、決してあなただけではありません。
その気持ちは、多くの訪問看護師が通ってきた“成長の途中”にあるものなんです。
私も最初の頃は、「たった30分の訪問なのに、なんでこんなに心が疲れるんだろう」と思っていました。
でも少しずつ人とのつながりを意識するようになって、だんだんと孤独感が薄れていきました。
ひとりで抱え込まない!孤独を和らげる5つのヒント
① 朝の情報共有・雑談を大切にする
「忙しい朝こそ、会話を意識する」。
これが意外と、心の余裕につながるんです。
たとえば5分の朝礼やミーティングでも、
「昨日の○○さん、少し元気そうでしたよね」と一言交わすだけで、”仲間がいる”と感じられます。
雑談は無駄ではありません。
むしろ、孤独感を減らす“心のセーフティネット”になります。
② ケース会議や同行訪問を積極的に依頼する
不安なケースがあれば、思い切って「同行お願いできますか?」と声をかけましょう。
一緒に現場を見ることで、「こういう視点もあるんだ」と発見できたり、自分の判断に自信が持てるようになります。
同行は「あなたのため」だけじゃなく、実はスタッフ全員の学びにもなるんですよ。
③ 日報やチャットツールで感情を“言語化”する
何気ない出来事でも「今日、○○さんの笑顔に救われました」と書くだけで、気持ちが整理されていきます。
チームで共有することで、「その気持ちわかるよ」という反応が返ってくることも。
文字にするって、思っている以上に大きな効果があります。
書きながら、自分の気持ちにも気づけるんですよね。
④ オンラインや外部のコミュニティに参加してみる
職場以外に、安心して話せる場を持つのも大切です。
SNSの非公開グループや地域の訪問看護師ネットワーク、看護師向けのコミュニティなど、少し外に目を向けてみると思わぬつながりが生まれることも。
「同じような悩みを持つ人が、他にもいるんだ」と感じるだけで、ずいぶん楽になります。
あなたの悩み、受け止めます。
⑤ 感情の波に気づける“セルフモニタリング”を習慣に
毎日の中で、「今日は疲れてるな」「焦ってるかも」と自分の心に耳を傾けてみてください。
その“気づき”があるだけで、感情のコントロールがしやすくなります。
無理に元気を装わなくていいし、落ち込む日があっても大丈夫。
大切なのは、自分自身と向き合う時間を持つことなんです。
孤独を感じたら、まず“声に出して”みよう
訪問看護の世界では、「相談する=弱いこと」ではありません。
むしろ、自分の限界を知って人に頼れる人こそ、信頼される存在です。
「こんなこと、言っていいのかな」とためらう前に、まずは近くの誰かに話してみてください。
あなたの感じていることに、共感してくれる仲間はきっといます。
仲間と支え合う訪問看護を目指して
訪問看護師が孤独を感じるのは、「利用者さんと本気で向き合っている証拠」でもあります。
だからこそ、心が疲れたときには無理せず頼ってください。
つながりを意識することで、訪問の現場もあなた自身も変わっていきます。
「限界かも」と思ったときに、この記事を思い出していただけたら嬉しいです。
まとめ
訪問看護で孤独を感じるのは、決して特別なことではありません。
朝の雑談、同行依頼、感情の言語化、外のつながり、そしてセルフモニタリング。
ひとつずつでも取り入れて、心の負担を減らしていきましょう。