看護師さん

訪問看護は孤独?1人で抱え込まないための5つの方法

「訪問看護って、なんだか孤独そう…」

そう思ったことは一度でもあるはず。

病棟と違って訪問看護では1人で訪問することが多く、自分で判断や対応をしないといけないことが増えます。

そのため「周りに相談できずに1人で抱え込んでしまう」「相談相手がいない」と悩む人も少なくありません。

孤独じゃないよ!って経験者は言うけれど…

でも実際には、“孤独”を感じやすいのは自然なこと。
問題はその”孤独”をどう対処するか?です。

今回は訪問看護師がなぜ孤独を感じるのか、そして1人で抱え込まないためにできる具体的な方法を、経験をもとにご紹介します。

なぜ訪問看護は孤独を感じやすいのか

訪問看護=1人で訪問することが多い=孤独なイメージ
という考えを持つ方は多いと思います。

ではなぜ「訪問看護=孤独」というイメージが一般化してしまったのでしょうか?

病棟のように「すぐ話せる仲間」がいない

訪問看護では、基本的に1人で利用者宅を訪問します。
病棟のように、隣に先輩や同僚がいる環境ではありません。
そのため、何かあっても「すぐに相談できない」「1人で考える時間が長い」と感じやすいのです。

でも実際には、スマホですぐに上司・先輩に相談できる環境が整っているんです。

「自分ひとりの判断」にプレッシャーを感じる

「訪問看護=自分1人で判断しなければいけない」というイメージをもっている方も多いはず。

でも、そんなことはありません。
先ほどの項目にも共通しますが、スマホで上司・先輩に相談できる環境は整っているので、実際は判断に迷えばすぐに相談できます。

担当制だと自分だけに訪問が偏ってしまう

受け持ち制を導入しているステーションだと、自分の受け持ち利用者が週1回のみの訪問看護利用の場合があります。

その場合に自分ばかりが訪問することになり、看護の方向性や利用者関連の些細な悩みを相談しにくくなることで孤独だと感じるかもしれません。

そんな時には上司や先輩に同行訪問・代わりの訪問をお願いして、”一緒に考えてもらえる環境”を作りましょう

 

どんな人が孤独を感じやすい?

では一体、どんな性格の人が孤独を感じやすいんでしょうか。

完璧主義で「頼るのが苦手」なタイプ

「自分でやらなきゃ」「迷惑をかけたくない」と思う完璧主義タイプの人ほど、孤独を感じやすい傾向があります。
1人で抱え込みすぎて、気づけば心が疲れてしまうことも。

命に関わる看護師という職業だから完璧であるに越したことはありません。
でも自分が壊れてしまっては元も子もないですからね。

人の感情に敏感で、気を遣いすぎてしまうタイプ

利用者や家族の気持ちを察する力がある人ほど、自分の感情を後回しにしてしまい”孤独”を感じやすいです。
「相手を傷つけないように」「不安にさせたくない」と思うあまり、ストレスを抱えてしまうことも。

優しすぎるがあまり、自分を苦しめないよう、自分の感情には素直になりましょう。

プライベートでも“切り替え”が難しいタイプ

仕事での出来事をプライベートにも引っ張ってしまう方も、”孤独”を感じやすいです。

周りが楽しく盛り上がっていても頭のどこかで仕事のことを考えて…孤独を感じてしまいます。

 

孤独を抱え込まないための5つの方法

ここからは「孤独を抱え込まないための5つの方法」を詳しくご紹介します。
1人で抱え込む孤独に、良いことはひとつもありません。

 チーム内でこまめに報連相をする

直接話すのが苦手…なんて場合には、チャットやショートメールの使用も効果的。
まずは些細なことでもコミュニケーションを図ってみることで、報連相のハードルが下がります。

報告をするときには、まず結論から。
そのあと詳しい情報を説明して、自分の考えを伝えることができればばっちりです。

同じ立場の仲間と繋がる

訪問看護という孤独を感じやすい環境だからこそ、同じ悩みをもつ仲間と繋がることも大切なことです。

最近では訪問看護師向けのオンラインコミュニティやSNSグループも増加傾向。
あなたの悩みにあった環境が必ずあるはず。
理解しあえるからこそ、打ち解けられる関係もありますよ。

感情を文字に起こしてみる

自分が感じたモヤモヤやイライラ、喜びや悲しみなどの感情を文字に起こしてみるのもひとつ。

最近では「ジャーナリング」という自己理解を深める方法も注目されています。

自分の感情から目を逸らさないことで、孤独とも向き合えるはずです。

自分を責めすぎないよう心がける

孤独を感じやすい人の特徴として「自分を過度に責める」というものがあります。

何か振り返りをするとき、反省をすることはとても大切ですが「自分を責めすぎること」は心にも体にも良いことはひとつもありません。

ある程度は自責しても良いですが「次にどう活かすか?」に意識を向けられるよう心がけましょう。

社会人としてメンタルヘルスケアをする

社会人なら体調管理も仕事のうち、というのはよく聞く言葉。
ここでいう「体調」は体の不調だけでなく、「心」の不調も指しています。

だからこそ「つらい」「しんどい」気持ちを抱えきれなくなる前に、会社のカウンセラーさんや街のカウンセリングを利用するのも一つです。

孤独を抱え込まないための5つの方法

①チーム内でこまめに報連相をする

②同じ立ち場の仲間と繋がる

③感情を文字に起こしてみる

④自分を責めすぎないよう心がける

⑤社会人としてメンタルヘルスケアをする

 

それでも孤独を感じたら、まずすべきこと

感じないように努力しても無意識に”孤独”を感じちゃうんだ…

どうしても孤独を感じてしまって1人で抱え込んでしまうのなら、まずは近しい上司や先輩など「誰かに気持ちを打ち明けること」から始めましょう。
同じ職場だからこそ寄り添いあえることもあるはずです。

もしそんな相談をできない職場なら、外部やSNSで心情を打ち明けるのもひとつ。

また、職場を変えることで”孤独を感じる環境から身を引く”ことができ、孤独感が薄れることもあります。
「自分が安心して働くことができる場所」を選ぶことも、孤独を抱えないために大切なことです。

 

1人で抱え込まない働き方を見つけよう

訪問看護は1人で行動することが多いけれど、決して「1人」「孤独」ではありません。

あなたには心強いチーム、家族、医師、ケアマネジャー…たくさんの仲間がいるはず。
”ひとりで全部背負わない”という気持ちを大切に、少しでも「つらい」「しんどい」を感じたら、まずは周りの人に気持ちを打ち明けましょう。

孤独を感じることは「人に寄り添える優しさの裏返し」。
自分の心を守りながら楽しく働ける方法を探してみましょう。