「訪問看護に挑戦したいけど、面接ってどんなことを聞かれるの?」
そう思って不安を抱えている方、多いのではないでしょうか。
病棟での面接とちょっと違い、訪問看護ならではの質問や評価ポイントがあるのも事実。
この記事では、訪問看護の面接でよくある質問から、答え方のコツ、事前準備のポイントまで丁寧に解説。
これを読めば、面接の不安がグッと軽くなるはずです。
訪問看護の面接では何が見られているのか?
スキルよりも“人間性”を重視?
病棟と比べて、訪問看護の現場では「ひとりで判断する力」や「ご利用者との距離の取り方」がより求められます。
そのため、面接で問われるのは「どれだけ経験があるか」より、「どんな姿勢で仕事に向き合うか」。
つまり、“この人なら安心して任せられる”という人柄や柔軟性が大切なんです。
訪問看護特有の「自立性」「適応力」も見られている
訪問看護は一人での行動が基本。急な変更や予期せぬ対応もある中で、「柔軟に動けるか」「孤独感に耐えられるか」も面接官は見ています。
ただし、それは“強さ”だけじゃなく、“相談できる人か”という点も含めたバランス感覚を含みます。
即戦力よりも「育成可能性」が大事な理由
「経験が浅いから無理かも…」と思っていませんか?
実は多くの訪問看護ステーションは、“一緒に育ってくれる人”を探しています。
面接官は、「素直に学べる人か」「指導を受け入れる姿勢があるか」に注目しているんです。
訪問看護の面接でよく聞かれる質問とは?
ここでは、実際に面接でよく出る質問をピックアップ。その意図もあわせて解説します。
志望動機はどう答えるべき?
「志望動機」は面接で最も重要な質問の一つです。ただ「興味があります」だけでは弱く、相手に印象が残りません。
コツは、“なぜ訪問看護なのか”を自分の体験や価値観と結びつけて話すこと。
たとえば、
「家族が訪問看護を利用していて、在宅で看護を受けられるありがたさを実感した」
「病棟では見えづらかった生活背景に興味が湧き、もっと生活に寄り添ったケアがしたいと思った」
などのエピソードを交えると説得力が増します。
NGパターンは、「夜勤が嫌だから」「楽そうに見えるから」といった理由だけを話してしまうこと。
本音であっても、それだけではマイナス印象につながります。
これまでの看護経験について
過去の経験をただ羅列するのではなく、その中で何を学び、どんな場面でどのように考えて動いたのかを伝えると好印象です。
たとえば、「病棟勤務で退院支援に関わった」「在宅復帰の調整でご家族と連携した」など、訪問看護と接点のある経験があれば、ぜひ強調しましょう。
また、急変対応や褥瘡ケア・認知症の方との関わりなど、訪問でも活かせるスキルを整理しておくと◎。
訪問看護で不安に感じることは?
「不安がある=マイナス」とは限りません。
大事なのは、その不安に対して自分がどう向き合おうとしているかを伝えることです。
たとえば、「一人で判断する場面に不安はありますが、電話で確認をとること、事前の準備を徹底することで対応したいと考えています」といった姿勢は好印象。
逆に「不安はありません」と無理に言ってしまうと、リアリティがなくなってしまうので注意です。
実際、訪問看護は未経験者にとっては未知の世界。不安があるのは当然です。
それを正直に伝えたうえで、“それでも挑戦したい”という思いを言葉にしましょう。
ひとりで判断する場面に対応できますか?
この質問の背景には、「ご利用者の体調の変化にどう対応するのか」「連絡が取れない場面での行動は?」という現場のリアルな不安があります。
「常にマニュアル通りにいかないことを想定して、何を優先すべきか判断できるよう心がけている」
「急変時は冷静に観察し、まずは上司や主治医に報告・相談を徹底する」
など、“判断の軸”や“行動のパターン”が伝えられるとベストです。
事例ベースで「こういうときはこう動く」と語れると、安心感が生まれますよ。
チームでの連携や報連相に自信はある?
訪問看護は個人プレーに見えがちですが、実は“チーム連携”がかなり重要です。
一人での訪問中でも、記録共有や情報伝達、緊急対応など、バックアップ体制との連携が欠かせません。
「普段から記録を丁寧に書くように意識している」「電話やLINEツールなどで密に情報共有するよう心がけている」といった具体的な行動が伝えられると、面接官の信頼につながります。
また、「相手の意見を尊重して話を聞くようにしている」など、コミュニケーション面の工夫もアピールポイントになります。
質問への答え方のコツ
結論→理由→エピソードの順で答える
「一番伝えたいこと」を最初に言うのが鉄則。そのあとに理由と実体験を加えましょう。
例:「訪問看護に興味を持った理由は、利用者さんの生活に寄り添える点に魅力を感じたからです。以前、退院支援で関わった方が…」
「相手が知りたいこと」に焦点を当てる
自分の話ばかりしてしまうと、“独りよがり”な印象に。
相手(=面接官)が「この人と働きたいか?」と思えるかを意識して、伝えましょう。
ネガティブな内容はポジティブ変換で伝える
たとえば「訪問看護に不安がある」は、「学ぶ意欲がある」や「確認を怠らない」に変えて伝えると、前向きな印象に。
実際の回答例をチェックしよう(NG例つき)
志望動機の良い例
「病棟勤務を経験し、より生活に寄り添った看護をしたいと感じました。」
「利用者の“いつも通り”を支える訪問看護に魅力を感じ、志望しました。」
上記のような内容だと、「病棟での経験を活かしていること」や「在宅で大切な”生活”をベースとした看護を理解していること」をアピールできます。
NG例は・・・?
「夜勤がつらくて…」「残業が多かったので…」など、前職の不満を前面に出すのは逆効果。
理由として正直でも、伝え方には工夫をしましょう。
面接前に必ず準備しておきたいこと
最後に、面接を万全の状態で受けるための事前準備をリストで紹介します。
① 応募先の理念・事業内容をチェック
理念に共感していることを伝えられれば、面接官の印象もぐっと良くなります。
志望動機にも絡めることができないか?面接前に入念にまとめてみましょう。
② 自分のキャリアを棚卸しする
「どんな経験があるか」だけでなく、「何を学んだか」を整理しましょう。
整理できた内容を、今後訪問看護でどう活かすか?まで考えられると◎。
③ 想定質問の答えを紙に書き出して練習
答えを“暗記”するのではなく、“自分の言葉”で話せるように練習を。
面接官は「あなたの気持ち」を確認したいと思っています。
まとめ
訪問看護の面接では、スキル以上に「人となり」や「柔軟な姿勢」が評価されます。
よくある質問にしっかり答えられるよう、準備を整えて臨めば、きっと自信を持って挑めるはず。
あなたの想いが、きっと誰かの支えになる日が来ます。
まずはひとつ、自分の答えを“声に出して”練習してみませんか?