こんにちは、シュリです。
前回、「新卒で訪問看護師を志した理由」というテーマで記事を書いたんですが、今回は「新卒で訪問看護師って厳しいな」と感じたことについて紹介していきます。
仕事なのでもちろん厳しいことだらけなんですが、まだまだ新卒の訪問看護師教育体制が整っていなかったり、ベテランがやるイメージのある訪問看護師を若い人がやることで厳しいと感じることなど、私が経験してみてお伝えできることは伝えようと思います。
厳しいことがあるから、嬉しいこと・楽しいことを2倍プラスに感じ取れるんですけどね。
ちなみに、コロナの影響で研修がe-ラーニング以外ゼロになってしまうという悲劇に見舞われていますが、それも少し絡ませて話させてくださいね。
新卒訪問看護師は”どう”厳しい?
まず最初に、新卒の訪問看護師として働くにはどう厳しいのでしょうか?
私は、大きく分けて2つあると思います。
①研修制度がまだまだ整っていない
②訪問看護師はベテラン看護師がやるイメージ
こんな感じ。詳細をお話していきますね。
研修制度が意外と整っていなかった
やっぱり、新卒で訪問看護ステーションに就職するにあたって気にするのが”研修制度”。
病院だと決まった研修制度があったりするんですが、訪問看護ステーションはまだまだ新卒教育が充実しているとは言えません。
ホームページを駆使して色々調べてみるけれど、入ってみたら全然ネット情報と違った…なんてこともザラにあると思います。
私が経験した、「仕入れた情報と違うやん…」をちょこっと紹介していきます。
在籍の看護師さんが半分以下だった
これは超衝撃でしたね。
調べていただいたらわかるんですが、厚生労働省のHPでステーションに在籍している看護師数ってみることができるんです。
それで、就職したいなあと思ったステーションも調べてみたんですが、在籍看護師数が20人になっていて、
いろんな先輩看護師のアセスメント知れたりするんじゃない!?
なんて期待してました。
いざ入職してみると、看護師さんは5人・・・
仕入れていた情報の4分の1の人数の看護師さんで訪問をしていたのでした。少しガッカリした気持ちもありましたが、それでも少人数には少人数なりの良さがあって、すぐに馴染むことができました^^
初めての新卒受け入れで、「とにかく見て学べ!」体制だった
実は、私が採用していただいたステーションでは新卒看護師の採用は初めてだったようで・・・どういったことを学ぶべきなのか、みたいな指標がひとつもありませんでした。
コロナの影響で、診療所での研修はナシ、施設での研修もナシ・・・
先輩看護師もあたふたしながら、「バイタル測ってみようか!」、「浣腸してみようか!」、「摘便してみようか!」と色々と経験させてくださいます。
普段から空いた時間で基礎看護技術の復習をしておくことが大切でした。
あとは先輩の看護ケア・関わり方をしっかりと目で見て学ぶこと!
参考書を使って調べることはできても、実際にやってみると参考書通りにはいきません。だから私は、参考書で学んだ基礎知識に肉付けするように先輩看護師の技術を見学することでコツを学んだり、工夫していることを学んだりしました。
これ、意外と自分の力になっていると思います。
もちろん、数回の見学の後に自分でやってみて、1回で完璧にできるわけではないけれど、しっかりと見学できていればスムーズにできずとも利用者さんごとのやり方の違いを把握して手順通りに進められます。(時には失敗もしますが・・・)
私は、研修!!ってガチっとしすぎていない、「目で見て学べ!」体制は結構好きかもしれません。結局、対利用者さんのときにできなければ研修でどれだけ上手にできても意味がないですから。
人数が少なすぎてプリセプターがいても、いないみたいなもの
一応、プリセプターをつけてはくれたんですが、もともとの看護師数が少なかったから、勤務時間はほとんどみんな訪問に出ていて出勤時と退勤時くらい、プリセプターと話せるのは。
なので勤務時間中に聞きたいことなんかがあってもその場ではすぐに聞けず、まとめて退勤前に聞いたり。そんな感じで工夫しながらプリセプターと関わることができています。
もっと相談できたらなあ、とか思いますが、それは甘えなのかもしれませんね。
訪問看護師はまだまだベテランがやるイメージ
訪問看護師というと、病院で何年も働いたあとにやる人が多いイメージですよね。
それって、医療関係者の間でも、利用者さんの間でも変わらない思考なんです。だから、新卒で入社すると「新卒で訪問看護なんて珍しいね」と言われます。
「お嬢ちゃんがやったからじゃないの?」
4,5回同行訪問した利用者さん宅で何度も見学して、自分でも学習していた看護技術を、先輩見守りのもとでやらせてもらえる機会がありました。
と緊張のなか、自分で自分を励ましながらその日はなんとかやり切って訪問は終了しました。
次に訪問した時でした。
「お嬢ちゃんがやったからでしょ?あの日の夜は大変だった。」
利用者さんのお兄さんが発した言葉でした。もう訪問中もその言葉で頭のなかはいっぱいでした。明らかに口数が減ってしまっていました。(今思えば、それでも専門職として利用者さんと関わるべきだった・・・)
私がケアした日の夜、状態が少し悪化してしまったようでした。オンコールなどはなかったのですが、それでも家族さんに迷惑・心配をかけてしまいました。
その日は泣きながら事務所へ戻りました。
何が悔しかったのか?状態を悪化させてしまったかもしれないことは自分の責任だと思い、猛省しましたし、なにもお兄さんに責められたのが悔しかったのではありません。
「お嬢ちゃん」この言葉が悔しかったのです。
初めて訪問するときには自己紹介とともに、名刺も渡しています。それに、週に2回訪問もしている。でも、お兄さんは名前で呼ぶのではなく、看護師さんと言うのでもなく、「お嬢ちゃん」という言葉を使いました。
下に見られています。「若い」というだけで「お嬢ちゃん」と、看護師ではなく部外者的な立ち位置で認識されていたことが、私は本当に悔しかったんです。
病院だったら「お嬢ちゃん」とは言われないんじゃないでしょうか。せめてアンタとか、お姉ちゃんくらいでしょうか?
この経験をきっかけに、訪問看護師はベテランがやるイメージが強いから若い看護師はどうしても受け入れてもらう・認識してもらうまでに時間がかかるんだ、ということがわかりました。
①研修制度がまだまだ整っていない
②訪問看護師はベテランがやるイメージが強すぎて、若いと受け入れてもらいにくい
厳しい状況だけど自分の努力次第で変えられる
上記のような「新卒訪問看護師の悩み」みたいなのが、ここ1、2ヶ月でありました。
でもそれでも、訪問看護は楽しいです。
病院とまた違った辛さや楽しさがあります。その人の生活を実際に見ながら看護を考えるのは、在宅じゃないと絶対にできません。
まだまだ新卒の訪問看護師はマイナーかもしれません。ですが、これからは在宅で生活する療養者さんは確実に増えていきます。
病棟で経験を積んでからじゃないと訪問看護師は厳しい、なんてことはありません。最終的には自分の努力次第です。
新卒で訪問看護師を志している方、悩んでいる方がいらっしゃったらお気軽にお問い合わせください^^
縛られた働き方だけじゃないと思います!自分で新しい働き方を見つけていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。